はじめに
スイスで駐在生活をするにあたり、なんといっても食は大事なポイントですよね!しかも、スイスは物価も外食費も高く、なかなか日本のようなお惣菜も売っていないので基本的には自炊することになります。基本的には現地の食材を使うにしても、どんな食材や調味料を持っていくべきなのか悩みますよね。また、国によっては関税の問題もあり、送れないものもあります。そこで、今回の記事では
日本で買っておくべき食材は?スイスでも買える?
スイスに持ち込んではいけない食材って何?重量制限はある?
という方にむけて説明していきます。この記事を読めば、駐在生活に必要な食料品に悩む時間がぐっと短縮できます。長い記事になりますが、私の経験等も含めて詳しくご説明しているので、イメージがつきやすいのではないでしょうか。
では、まずスイスに持ちこんではいけないものから確認していきましょう。
スイスに輸送できない・制限がある食料品
検疫等の関係で、スイスに持ち込んではいけないとされている食料品がいくつかあります。基本的には、引越・輸送業者さんが指定し、確認してくれるとは思いますが、自分でも改めて確認しておきましょう。もしも誤ってトラブルがあった際には、法で罰せられる可能性もあります。ここでは、私の利用した日本通運さんでのケースをもとに記載していきます。
引越荷物として取り扱いできない品目
- 果物
- 生鮮食料品
- 生物
- 肉製品: 肉エキスが含まれる食品
- 乳製品
- 卵: 卵、卵を使用している製品
これは、ロッテルダム港経由とした規制なので、業者や経路によって一部異なる可能性はあります。しかし、生鮮食品や乳製品、肉製品は欧米だとほとんど共通して規制されています。
特に重要なのが、肉製品と卵の部分です。肉製品には肉エキスも含まれるため、これによりあらゆる加工品が大体アウトとなります。卵はわかるけど、肉エキス?…と思いませんか?私も日本にいるときにはあまり意識したことがありませんでしたが、調べてみると、肉エキスはお菓子やインスタント食品など、本当に色々な食材に使われているんです。これについては後述します。
持ち込みが制限される品目
- 検疫を要する物
- 米 (20kgまで)
- 赤ちゃん用粉ミルク(一人当たり2kgまで)
- アルコール(アルコール度数25%未満: 200Lまで、25%以上:12Lまで)
米については、関税等を支払ったとしてもこれ以上の量は輸入できないので注意してください。また、基本的に食料品の輸入は厳しめなので2~3日分の消費量を目安とするようにと指示されることもあります。購入量は自己判断でお願いします。
規制状況は変更される可能性があるため、最新の情報はきちんと確認しておくことをおすすめします。こちらのサイトも参考にしてみてください。
日本通運スイスサイト: https://www.nipponexpress.com/moving/ch/to/
食料品の7分類
大きく、以下の分類に分けて、順に説明していきます。
- 調味料
- 穀類
- 乾物類
- 缶詰類
- インスタント類
- 飲料類
- 菓子類
調味料
- しょうゆ
- みりん
- 料理酒
- 味噌
和食といえば当然必要な4つですよね!これらはアジア・日本食材店だけでなく、店舗によってはCOOPなど普通のスーパーで買うこともできます。
- 塩こしょう
- 砂糖
- 酢
- ごま油
これらはスイスでも購入できるので、お好みで。塩もコショウももちろんスイスでも簡単に購入できますが、私の場合は、ダイショーの味付き塩コショウを愛用していたので買っていきました。また、基本的に三温糖ではなくグラニュー糖になるので、気になるなら日本で購入を。はちみつで代用してもいいかと思います。酢も同様に、ワインビネガーやバルサミコ酢が主流になるので、穀物酢などをスイスで購入したい場合は、日本食材店で購入することになります。ごま油は、スイスのスーパーでも買えますがやや風味は弱いので、気になるならアジア食材店等で購入しましょう。
- ポン酢
- めんつゆ
- 中濃ソース
- ウスターソース
- オイスターソース
ポン酢やめんつゆ、中濃ソースは日本食材店でしか手に入りません。ソース類については、ウスターソースやオイスターソースはスイスのスーパーでも購入できますが、やや限られていますし日本のものとはやや味が異なりますので、日本と同じものが欲しければアジア・日本食材店で購入することになります。また、オタフクソースのお好み焼きソースなどは肉エキスが入っているので持ち込み不可ですが、日本食材店で購入できますよ。リストに挙げていませんが、ケチャップとマヨネーズはスイスでも安く、種類も豊富で品質もよいので持ち込みはほぼ不要だと思います。
- わさびチューブ
- からしチューブ
- おろししょうがチューブ
- おろしにんにくチューブ
- 梅肉チューブ
- しそチューブ
- 七味唐辛子
- 山椒
- ゆず胡椒
- 豆板醤
- 甜麵醬
- コチュジャン
以上の和食・中華系の調味料も大体アジア・日本食材店で購入できます。中華系調味料に関しては、アジア食材店なら結構本格的なものが購入できますよ。しかし、やはりやや高価ではあるので、賞味期限と相談して持っていくのがいいと思います。梅干しは日本食材店で購入できますし、しそは苗や種から購入して育てることもできますが、梅肉・しそチューブがあると手軽に料理に使えるので便利です。また、ゆず胡椒は下記の本場湯布院のものが辛みがしっかりしていて、とても香り豊かで非常においしいので、ぜひ試してみてほしい一品です。
- 顆粒だし、だしパック
だし類も一応アジア・日本食材店で買えるのですが、ぜひこれはこだわりの品を持ってくることをお勧めします!特におすすめなのがやっぱり茅乃舎のだしパックです。私の周囲でも、一時帰国のたびに必ず購入されている方が多いです。本当に香りがよくてお店で食べるような和食になります。パックはやぶいて中身をチャーハンにするなんてこともできます。(これがまたおいしくて…。特に、スイスで美味しい和食を食べようと思うとなかなか高価ですし、手軽に日本の落ち着くお出汁を味わえるので精神的にとても助かりました、久原本家さんには本当に感謝しています…つい強く愛を語ってしまいましたが、本当におすすめです。
茅乃舎のだしは貴重なのでちまちまと使っていますが、日常使いには定番のヤマキのだしもおすすめです。
顆粒だしの注意点として、製品によっては乳糖が添加されているものがあり、アレルギー対象として「乳製品」と表示されている場合があります。乳糖は確かに乳製品のアレルゲンではあるのですが、基本的に乳糖自体は乳製品ではないので本来問題はないはずであるものの、もし業者さんに断られた場合は手持ち荷物で運ぶこととなります。(上記の顆粒だしは乳成分入っていません)
- ふりかけ
- お茶漬け
- 調理調味料(シーズニング)
私はこのシリーズのふりかけが大好きで、たくさん買っておきました。お茶漬けも定番ですが、あまり食欲がない日に食べたりパスタに使ったりとよく活躍してくれます。ほかには、お好みで調理済みの調味料を買っていくのもいいかと思います。その際、卵、乳、肉エキスにはご注意を。カレールーやシチュールーなどは基本持ち込み不可なので日本食材店で購入しましょう。
- 明太子加工品
これもどうしてもおすすめしたい一品です。日本食材店で明太子は購入可能なのですが、高価だし、もう少し気軽に明太子を食べたいんだ!という私のような方には、下記の「どこでも明太子」をぜひ味わってほしいです。個包装なので使いやすいですし、なにより保存がきく点が本当にうれしい!
ちなみにおなじような形で、定番「ごはんですよ」もあります。ポテトサラダに入れてもとっても美味しいんですよね、これ。
穀類・麺類
- うどん
- そば
- そうめん
乾麵類も日本食材店で購入できますが、やはり高価ですし種類も限られます。お好みのものを持ち込むのをおすすめします。
- 米
- もち麦
- 雑穀
米は20kgまでの制限があります。私はもち麦や雑穀を混ぜるのが好きなので、一応それも含めて20kgになるよう持っていきました。米はよほど品種にこだわりがなければ、日本食材店だけでなく、スイスのスーパーでも日本の米に近いリゾット米が買えるので心配いらないと思います。ただ、さすがにもち麦や雑穀は見かけないので、お好きな方は買っておくべきです。
- 片栗粉
- 薄力粉
- てんぷら粉
- パン粉
- 白玉粉/道明寺粉
- お好み焼き粉/たこ焼き粉
欧米はパンが主食なんだし薄力粉やパン粉は持っていく必要ないでしょ、と思いましたか?実は、私もスイスに来てから驚いたのですが、スイスやほかヨーロッパで買える小麦粉は、中力粉や強力粉が主流なんです。なので、日本のような薄力粉を探そうと思うと、種類も多い分結構大変です(というか私はいまだに見つけられていません)。パン粉も同様で、粒が丸く小さいものが多く、粗削りのパン粉はアジア・日本食材店で買うことになります。それでも大きな問題はないのですが、気になる方は買っておきましょう。片栗粉はスイスのスーパーで問題なく買えますよ。てんぷら粉や白玉粉、お好み焼き/たこやき粉は日本食材店でも購入できますので、お好みで。お好み焼き/たこやき粉は肉エキスがある製品もあるので注意です。
乾物
- 乾燥わかめ
- 麩
- 油揚げ
- いなり揚げ
- 昆布
- 鰹節
- 煮干し
- しいたけ
- 塩昆布
- とろろ昆布
- ひじき
- 高野豆腐
- 切り干し大根
- 海苔
- 桜エビ
- 青のり
- 紅ショウガ
- 乾燥ごぼう
いずれも高価にはなるけれどほとんど日本食材店で購入可能です。さらに、しいたけなどは生でもスーパーで売っていますし、海苔などもSUSHI人気のおかげかよく見かけます。必要な方は買っておきましょう。ねぎはスーパーで手に入るのですが、便利なのでリストインしました。とりわけ乾燥ごぼうをいれた理由は、ごぼうはスイスではあまり簡単に手に入らないためです。ごぼう以外の野菜は、アジア食材店で比較的容易に入手できますが、(ごぼうに似た西洋ゴボウという野菜はあるものの)日本のようなごぼうはないんです。私はゴボウ大好きなのでそれは寂しいな…と思っていたところ、ぴったりの商品を見つけたので、購入しておきました。おすすめです。
缶詰類
- さば缶
- いわし缶
- さんま缶
- カニ缶
肉エキスがだめなので、魚介類の缶詰がメインになります。スイスでもツナ缶をはじめとして、サーモンやいわし、さばの缶詰は手に入るので問題ないのですが、かば焼きや味噌煮のような味付けは当然ながらないですし、やはり日本のさば缶のほうがさばが肉厚で満足感があります。お好みでどうぞ。
インスタント類
インスタント食品については、肉エキスが不可という条件によって、ほとんどのカップラーメン、カップ焼きそばなどは持ち込むことができません。肉エキスってこんなに私たちの生活を豊かにしてくれていたんだなあ…としみじみ驚くほどです。しかし、持ち込みOKなインスタント食品はあります!
それは…こちら!
そう、どん兵衛です。肉エキスのないお出汁のつゆならば、スイスに持ち込むことができます!なので、肉うどんやカレーうどんなどは不可ですが、それでも嬉しい。ほかのメーカーでも、うどん・そば系ならいける可能性は高いと思います。カップラーメンについては、意地になってドン・キホーテをめぐって肉エキスのない商品を探したりもしましたが、全敗でした…。スイスでもカップヌードルや焼きそばの袋麺などは一応買えるので、大丈夫だと思います。
または、最近ではヴィーガン志向の方も増えてきましたが、ヴィーガン対応食品なら、動物性たんぱく質を含まないので持ち込みに問題ないでしょう。こちらのラーメンはとても評判が良いようなので、今度一時帰国する際にぜひ買って帰ろうと思っています。ソース焼きそばまであるのがとてもうれしいですね。
飲料類
- 麦茶
- 緑茶
- ほうじ茶
- 焼酎
- 日本酒
お茶・酒類は有名な銘柄であれば日本食材店でも購入できますし、たまにスイスのショッピングセンターのリカー売り場に日本のお酒が並んでいることもあるくらいです。ただ、せっかくならお気に入りのものを買っていきましょう。特に、日本酒などは現地の方にもJAPANESE SAKEとして、とても喜んでもらえるので、ホームパーティーの際などにもおすすめですよ。アルコール度数と量には前述の通り制限があるので、注意してください。
菓子類
肉エキスと乳成分と卵が不可となるため、多くの菓子類は持ち込みが難しいです。肉エキスはスナック類に多く含まれるほか、乳が不可なのでチョコやクッキー類もおよそだめ、といった感じです。どうしても食べたいお菓子があれば、メジャーなものは日本食材店で購入できると思います。せんべいやおかき、和菓子であればOKなものが多いです。これらの持ち込み禁止成分が含まれない代表的なお菓子をいくつか列挙します。
- かっぱえびせん
- カルビーポテトチップスのりしお味
- 堅あげポテトうすしお味
- おにぎりせんべい
- ハッピーターン
- ぽたぽた焼き
- 歌舞伎揚げ
- とらやの羊羹 など
参考:
https://www.calbee.co.jp/products/allergy/
https://www.kamedaseika.co.jp/quality/allergy/
最後に
この記事ではスイスに持ち込める食料品、スイスで購入できる食料品を合わせて、赴任時に持ってきておきたい品について説明してきました。まとめると…
- 米、卵、乳、肉エキス、アルコールは持ち込みに禁止や制限がある場合があるので注意する。
- スイスでも生鮮食品等はほとんどスイスのスーパーで購入できる。
- さらに、アジア・日本食材店を利用すれば大体の食料品は揃う。
スイスで日本の食料品を購入しようとすると、給与水準や輸送コストを考慮すれば当然ながら、どうしても日本よりも高価で種類が限られます。また赴任直後は多忙のため、慣れない土地で買い物をするのも大変ですから、可能であれば日本で色々と準備しておきたいですよね。この記事がそんな皆さんの助けになれば幸いです。とはいっても、数年間の生活をすべて日本から持ってきたものだけで賄うのは到底不可能ですし、そこまで気負う必要はありません。とりわけ、ジュネーブの日本食材店はとてもありがたいことに品揃えもいいので、現地のスーパーや日本食材店を駆使して、楽しく快適な食生活を送りましょう♪
食料品以外もすべてまとめたリストは後日記事にする予定です。
スイスの日本食材店のレポは後日記事にする予定です。