はじめに

スイスで駐在生活をするにあたり、持っていくべき荷物って悩みますよね。今回は赴任時に日本から購入して持っていく持ち物のうち、特にキッチン用品について説明していきます。ほかのものについて知りたい方はこちらの記事からどうぞ。

スイスでも買えるキッチン用品

当然ながら、スイスでも日本と同様にほとんどのキッチン用品は購入することができます。IKEAなどもありますし、特にManorやbalexertなどショッピングモールだけでなく、ALIGROやCOOPなどのスーパーでも購入できるので、重要な何かがなくて困るようなことはあまりないのではないでしょうか。また、もし住む家がFull Furnished(家具付き)の場合には、大抵のキッチン用品や食器類はすべて揃えてあることが普通です。それでは、実際にどんな用品があるか見ていきましょう。

  1. 包丁
  2. まな板
  3. 包丁用シャープナー
  4. 調理はさみ
  5. ピーラー
  6. フライパン
  7. ボウル
  8. ざる
  9. バット
  10. おたま
  11. あなじゃくし
  12. フライ返し
  13. 泡だて器
  14. 計量スプーン
  15. スライサー
  16. レモン絞り器
  17. クッキー用型抜き
  18. ワインオープナー
  19. 缶切り
  20. ピザカッター
  21. 蒸し器
  22. 麺棒
  23. オイルポット

ただし、例えば挙げた中でも、ラップならサランラップやクレラップ、ジップ式保存袋ならジップロック、といったように、実際のところ、日本の商品の方が比較的質が良いと感じられるものもあります。特に、日本のラップは非常に優秀で、ちゃんと切れるし使い勝手がいいので、スイスに限らず在外邦人の間で重宝されているようです。私としても、やはりラップとジップロックだけは日本で購入することを強くおすすめします。逆に、アルミホイルやキッチンペーパーなどは日本よりも安く大容量で買えるので、日本から持ち込まなくてもよかったと感じます。ほか、

  1. 洗剤(食器用洗剤、食洗器用洗剤各種)
  2. 洗剤用スポンジ
  3. ワイプタオル
  4. 水筒用ブラシ

掃除用品として必要なものもスイスで問題なく購入できます。

以上の品々は、今すでに各家庭で使用しているものが多いかと思いますので、お好みで買い足すとよいかと思います。

スイスで買えない・買いにくいキッチン用品

次に、スイスでは購入できない、あるいはなかなか購入しづらいものから挙げていきます。

  1. しゃもじ
  2. 菜箸
  3. わり箸
  4. 箸置き
  5. れんげ
  6. おろしがね
  7. うろことり
  8. 出刃包丁
  9. 砥石
  10. 爪楊枝
  11. 竹串
  12. 醤油さし
  13. すし桶
  14. 布巾・手ぬぐい

うろことりや出刃包丁について、マルシェ(市場)などで魚を買うと一尾まるまる購入することも多いです。大体、うろこや骨はお願いすればお店でとってくれることが多いとは思うのですが、自分でさばく予定がある方は買っていきましょう。

この辺りは、特に日本の料理で用いるものが多いので、イメージがつきやすいかもしれませんね。例えば、お箸なんかはまったく買えないわけではないのですが、中国で用いられる太めのものが多いです。日本人にはなかなか使いにくいこともありますので、日本で多めに買っておいた方がいいかと思います。

基本的に、やはり日本のキッチン用品ってとても気の利いたものが多いと感じます。なので、特に無印良品や100均などでお気に入りの商品があれば、絶対にいくつか購入して持ち込むことをおすすめします。無印良品の調理器具などもとても便利ですよね…。私が特に便利だと感じているものをいくつかご紹介します。

  1. シリコンスプーン
  2. シリコントング
  3. シリコンスパチュラ

これらは、(勝手に)無印良品三種の神器だと思っています。本当に重宝していて、シリコンスプーンに至っては3つも持ってます。シリコントングも便利で、片方がスプーン上なのでスープパスタとか作っても使いやすいんですよね…。無印良品はジュネーブにはありませんが、近いところだとフランスのリヨン、スイスだとチューリッヒなどにも店舗があるので、そこでも購入可能です(高価だけどね)。

ほかの調理器具、用品のおすすめとしては、

  1. たまご焼き用フライパン
  2. マルチクックフライパン
  3. 味噌マドラー
  4. バターカッター

はとても便利です。スイスでは卵焼き用の形のフライパンって見かけません。特にこのサーモスの卵焼き用フライパンは日本のときから愛用しているんですが、このフライパンは、取っ手部分とフライパン部分との間の留めネジがフライパンの内部でなく、出っ張り部分になっているんです!これ、何がいいかというと、卵焼きって最後手前に卵を寄せますよね?その時に、留め具がフライパン内部にあると、留め具が邪魔でフライ返しで返しにくいんです。箸で返すこともできますが、そもそも留め具のせいでやや形が崩れるし、洗いにくいんですよね。小さいことですが日々繰り返すとストレスになるので、このフライパンはとってもおすすめです。

このマルチフライパンも、特にお弁当調理のときには役立ちます。スイスでも購入可能なものはあるのですが、深さが足りなかったり、形が気に入らなかったりで購入しませんでした。このマルチフライパンはすべて丸なので、見た目もかわいいことに加えて、これでパンケーキなども一気に焼けてしまうので、非常に便利でした。

味噌マドラーもすっかり我が家のレギュラーです。当初は味噌汁をつくるのにスプーンでみそを掬ってみそ濾しで濾して、としていたのですが、洗い物は増えるし必ず両手がふさがれるのが急いでいるときに面倒でした(どんだけバタバタ料理してるのか)。味噌マドラーがあれば量も一発で計れるし、洗い物もひとつだし、片手でみそを溶けるのが本当に便利です。


スイスはバターが安くておいしいので、ぜひ色々と試してみてほしいのですが、バターカッターも意外とスイスでいいものが見つけられず、一時帰国の際に日本で購入していきました。細かく切れて、しかも保存容器まで一緒についてくるのが日本クオリティーを感じられて嬉しいです。


固めるテンプルのような揚げ物のあとの油を処理するための用品もあると嬉しいですね。オイルポットなどを使用するのも手だと思いますが、揚げ油を都度変えたい方にはいいと思います。

次に、

  1. 保温水筒
  2. 水筒用スポンジ

水筒、水筒用スポンジもスイスで買うことはできます。ただ、日本の保温水筒ってとても計量だし、飲み口も分解して洗えるので、ここまで優秀な水筒を見つけるのは難しいです。スイスは水一本買うにも高い国ですから、ぜひマイボトルをひとつは持っておくことをお勧めしますよ。


ほか、実は和食テイストの食器はスイスでも購入できるのですが、特に用途が特殊な

  1. どんぶり皿
  2. 小鉢皿

などの食器は購入しづらいかと思いますので、日本からお気に入りを持っていきましょう。有田焼や九谷焼などは、現地の海外の方にホームパーティーでおもてなしすると喜ばれますよ。


キッチン家電

フードプロセッサーや炊飯器、圧力鍋など、ほとんどのキッチン家電についても、スイスでも購入できますし、現地購入した方が電圧やコンセントプラグの心配もないものもあります。ただし、説明書がフランス語やドイツ語しかない場合や、日本に本帰国した後には使えなくなることを考慮すると、日本で買っておいたほうがいいものも多いかと思います。家電については、あらためてほかの記事で説明する予定です。

購入の際に気をつけること

最後に、キッチン用品を購入するにあたって気を付けておくべきことを説明します。

  • 扱いがデリケートな和食器はできるだけ持ち込まないこと
  • IH対応の調理器具を選ぶこと
  • 食洗器対応の調理器具・食器を選ぶこと
  • 置き場所はそんなに心配しなくていい。

スイス、ジュネーブは硬水地域ですので、カルキ汚れがつきやすい水質となっています。天候としても乾燥しているため、漆塗りの木製和食器などはひび割れてしまう可能性があります。

また、基本的にコンロではなくIHの家が多いこと、ほとんどの家でビルドインの食洗器があることから、IH対応かつ食洗器対応のものを選ぶと、生活が便利になると思います。

こちらの食洗器は日本の食洗器よりも強力でとても便利なので、食洗器で洗うことに慣れてしまうと、食洗器対応じゃないものだけを別途手洗いするのが面倒になってきます…。

スイスの住宅は、基本的に日本よりも広いですし、キッチン周りの収納も多いです。なので、持っていくか迷った場合には持っていきましょう。スイスに来てしまったら、故障したり後悔したりしてもなかなか購入しなおすことができませんしね。

最後に

今回の記事のまとめは、

  • ほとんどの主要なキッチン用品はスイスでも購入可能(ただし高価)
  • お気に入りの用品は日本でやや多めに購入していく
  • 食洗器・IH対応のものを積極的に選ぶ

となります。私はスイスでも色々とキッチン用品を購入しましたが、改めて、日本の商品の行き届いた気遣いに気づかされることがとても多かったです。キッチン用品は日々使っていくものですから、できる限りストレスなく快適に過ごせるように、ぜひ日本から慣れ親しんだものを持っていきましょう。